前回は誰でもできる、簡単な赤ワインの作り方をご紹介しました。今回は手間のかからない手作り白ワインに挑戦です。

赤ワインは特有の渋味を出すために、つぶした果肉、果汁と果皮、果軸、種と一緒に発酵させます。発酵中は日に数度、浮いてくる果皮などを沈めるようにかき混ぜなければなりません。これが結構手間です。白ワインはつぶしたブドウの果汁だけを使います。果汁を果実酒用3リットル保存ビンに入れ、イースト菌を投入し、空気に触れさせないで発酵させます。ひと月も経てばヌーボーのできあがりです。簡単です。

作り方の前に、ちょっとした耳学問に白ワイン用ぶどうの品種をご紹介します。

白ワインといえば、「シャブリ」皆さんも一度は耳にしたことはありませんか?

世界一の白ワインと言われています。「シャルドネ」という品種で仕込まれています。フランスなど本場ヨーロッパで代表的な品種は「シャルドネ」「カルベネ・ソーヴィニヨン」の2品種といわれています。

シャルドネ240-320カルベネ240-320
「シャルドネ」            「カルベネ・ソーヴィニヨン」

 

ワイン文化の浸透で世界中のぶどうが栽培され各地のワイナリーでワインが作られています。日本の代表的な品種は山梨県勝沼市を中心に、明治時代日本のワイン草創期から、品種改良されてきた「甲州」という品種といわれています。 

近年、「甲州」で作られた「甲州ワイン」は、本場ヨーロッパでも高く評価されているそうです。多くの三つ星レストランで世界の銘酒と肩を並べているそうです。

変わったところでは、果物産地の山形県では生喰で一般的な「デラウェア」で、スパークリングワインが作られているそうです。果実味が感じられ、さわやかですっきりした味わいが評判になっているそうです。

甲州240-320デラウェア240-320
「甲州」               「デラウェア」

今回は手軽にスーパーの店頭で入手できる「デラウェア」で作りました。
種が無く、皮も薄く果汁を絞るには簡単だろうと決めました

 

簡単白ワインを作ります。

 「材料」

デラウェア――――――――粒だけにして3.6Kg

グラニュー糖―――――――270g~300g(アルコール度数を上げたければ、多く入れる。
                    ぶどうの果汁糖度だけでは、糖度が不足)

ドライ・イースト―――――3g(手に入るならワイン用酵母菌がよいでしょう。)

「道具」

 果実酒用3リットル保存ビン・ふきん・ボール・ろうと・ざる2つ・小ビン・10mm径のビニールホース

 

 「作り方」

手順1-200-200①ぶどうを水でよく洗い、房のじくを取って、熱湯消毒したざるに粒だけを取り分ける。痛んでいるものは取り除く。

手順2-200-200 ②熱湯消毒してある乾いたふきんで軽く拭き、実を潰したとき水分がはいらないようにする。粒をはかりで計り、3.6Kg分を取り分ける。

手順3-1-200-200手順3-2-200-200

手順4-1-200-200③なべやボールにざるを重ねて、ざるの中でぶどうをつぶし、ざるから自然に流れ出た果汁を保存ビンに移す。3.6kgのぶどうからおよそ1.8リットルの半透明果汁がとれる。

手順4-2-200-200④ グラニュー糖270gを果汁に加えてよくかき混ぜる。さらにドライ・イーストあるいはワイン用酵母菌をいれて、よくかき混ぜる。

 

手順5-1-200-200手順5-2-200-200

⑤ 図のようにビンの口をろうとの先端にビニール管を差し込みテープで止めたものをかぶせて、ろうとをビンの肩にテープでしっかり固定する。白ワインは発酵による炭酸ガスをビン内に満たし、空気に触れさせないようにして、密閉発酵させる。ろうとにつないだビーニル管の先端を水の入った小ビンに差し、炭酸ガスを外に逃がす。小ビンの水を時々取り替えるだけで、2週間ほどで発酵がしずまる。赤ワインは毎日手をかけなければならないが、白ワインは仕込み時だけ。2~3週間後に澱引き(酵母などの沈殿物をのぞく)をする。

1回目の澱引きの時にワインの空ビンなどに移し、冷蔵庫などで熟成させる。
さらに澱引きを数回をすると、透明感が出ます。
およそ1~2ヶ月程度で、皆さんの手製「シャブリ」ができあがります。