東急ハンズなどで「うまいビールの素・B」という、家庭で手軽にできる手作りビールのキットを売っている。
エヌビージャパン株式会社という会社が、英国から直輸入しているもので、モルトエキス、ホップエキスなどが混ぜられている「B」という缶詰と、打栓機、王冠などがセットされている。(キットのビジュアルはネットで簡単に見られる。)
説明書どおりつくっても、アルコール度1%以下のビールしかできない。
しかし、この説明書にはごていねいに、次のような個所がある。「英国等、先進民主主義国家では、酒税法の改正により、通常のアルコール含有量(約5%)のビールをつくることができます。」

添付の製法と異なる点は、「B」に砂糖を加え、糖度を高め酵母の働きにより、アルコール度5%近くのビールができます。

本格的自家醸造ビールをつくる

「うまいビールの素・B」キット以外に用意するもの

・砂糖-約800グラム
・自然水-16~18リットル
・なべ-約4リットルの容量のもの(ホウロウかステンレス製、アルミはさける)
・殺菌剤-エタノールかオスバン液
・きれいに洗浄したビールビン-約28本(耐圧ビンでない清酒等のビンは絶対使わないこと)
・灯油用サイフォンポンプ
・ひしゃく
・ポリバケツ-20リットル容量 ふた付き

作り方

① 発酵用ポリバケツをよく洗い、総量が16または18リットルになる部分に印を付けておく。

② なべに2リットルの自然水を入れて、沸騰させる。これに「B」を一缶、砂糖700グラムを加えて、焦げ付かないようにかき混ぜながら約5分間煮立てる。

③ ②の液体を発酵温度に下げる為、自然水をポリバケツに半分ほど入れておき、②の液体を投入する。残りの自然水を足して、温度を測る。水や湯を使い最終的に温度が18~26度ぐらいになるようにしたい。温度調節をしながら総量を16~18リットルにする。

④ 温度が18~26度になったところで、キットに添付されているビール醸造用イーストを均等に振りかける。発酵時の炭酸ガスを排出できるように、ふたはかぶせるだけにする。(ビニールラップをかぶせてひもで縛っておいてもいい)

⑤ 18~26度で発酵させる。最初の2~3日は発酵が盛んで、ラップが山のように盛り上がるが、ふたやラップはあけない方がいい。炭酸ガスにより雑菌は入らない。

⑥ 1週間~10日ぐらいで発酵は終わる。

⑦ これで一次発酵は終わりである。ここで灯油用サイフォンポンプを使って、発酵した液体をビールビンに移す。ビンに入れる量は口から5センチの空きが出るくらい。移すときはオリ(酵母がつくる食べカスのような沈殿物)を移さないよう丁寧に移す。ビールビン、サイフォンポンプはよく洗って殺菌しておくこと。王冠も忘れずに殺菌、洗浄をしておく。

⑧ ビールの泡をつくるため、大ビン1本当たり、約3グラムの砂糖を入れる。これによってビン内で二次発酵を行わせ、炭酸ガスをビン内に封じ込める。入れる砂糖の量は微妙である。少なすぎると気の抜けたビールになり、多すぎると泡ばかりになる。砂糖を入れたら打栓機で栓をする。

⑨ ビン詰め後、2~3日は18~26度の状態に保つ。以後でもできるだけ涼しいところで熟成させる。ビンに入れてから約2週間でビールができあがるが、さらに熟成を続け1~2か月が飲み頃になる。

近頃ではネット上に、作り方などが紹介されています。ご興味のある方は、それらも参考に楽しんで下さい。

<ご注意>
日本では酒税法により、アルコール度1%以上の酒類をつくる場合は免許が必要になります。
無免許で欧米諸国のように1%以上のビールをつくる自由はありません。ご注意下さい。