ドブロクは酒米と麹の発酵後に残っているモロミといわれるものを、すべて一緒に飲むのが一番おいしい飲み方だと思っていますが、出来上がったドブロクをしぼって清酒状態にしても、また楽しめます。

プロの酒蔵では「酒袋」という布の袋にモロミを入れて、「ふね」と呼ばれる木製の細長い箱に入れ、上から重しをかけて酒と酒粕を取り分けています。

一度に十リットル程度しか作らない私は、時に一部を手でしぼります。
日本酒の四合ビンにろうとを差し込み、ろうとの内側にきれいな、ふきんを敷きこれにモロミをひしゃくでそそいでしぼります。
粕はたくさん出ますが、あまりぎゅうぎゅうしぼらないほうが味は良いと思います。粕は冷蔵庫などで良好な状態に保存しておけば、次の仕込みに使えます。
しぼったものが入ったビンは、そのまま冷蔵庫に入れます。

しぼったドブロクを冷蔵庫で数日間放置しておくと、ふきんの目をくぐり抜けた粕がオリとして、ビンの底に沈んで上のほうは澄んでできます。
この上澄み液だけを、そっとほかのビンに移し替えれば、澄んだ酒、すなわち
清酒になります。