かねてから分不相応と思いながらも、一度は訪れてみたいと思っていたお宿が箱根宮ノ下駅にあります。
勇を鼓して予約申し込みをしました。ところが予約は一年以上掛かります。とのことでした。忘れかけていたころ連絡がありました。
予約が一年半がかりで取れました。

国道1号線沿いにささやかに掲示される宿名

近くには超高級ホテル「富士屋ホテル」などがある「超箱根エリア」だと思います。
最初に驚いたのは、宿のスタッフが駅近くまでお出迎えをして頂いたことでした。エントランスに歩を進めると、瀟洒な一見平屋に見える和風の玄関が出迎えてくれました。
私好みの和風のたたずまいは、お宿の強い思いが感じられました。
また、オーナーの哲学とお宿の設計者の設計思想が、みごとに表現されていて入館前から、館全体にかなりの期待感をもたらしていただきました。

 

箱根吟遊 玄関

フロントでスタッフから説明を受けましたが、早川の崖に沿って建てられている5階建てのお宿でした。
最上階にエントランス、ロビー、ラウンジと圧倒的なスケールの二つの大浴場があります。
1階から4階が客室で、全室露天風呂、テラス、ダイニングを設えたスイート仕様のお部屋からは箱根連山を望み、早川渓谷を眼下に見下ろす位置に建っていて、視界を妨げるものは何もなく抜群の眺めが広がります。

 

ラウンジ

玄関からロビー、ラウンジとアジアンテイストが漂い和との融合が、心地良い雰囲気を醸し出していました。
ガムラン音楽が聞こえそうでした。

入館後は白足袋が用意されていて、館内は廊下も畳敷きとなっており白足袋で何処にでも行けます。ゆっくりと寛げました。

 

ラウンジテラスからの箱根連山

雄大な箱根連山と早川渓谷、特に見下ろす眺望が良かったです。
まったく人工物が見えないことで、非日常に感動です。

 

大浴場

圧倒的なスケールの大浴場です。
箱根連山の景観を、湯の水平線が仕切りますが、雄大な借景でした。。
経験したことの無い景色でした。

 

客室

妻の希望で部屋食が絶対条件でしたので、まさにうってつけでした。
朝夕共に、お部屋食となっており、各部屋のダイニングルームへは、寝室を通らずに直接運んでいただき、スタッフさん達に丁寧なサービスをして頂きました。
誰にも気兼ねなく、食事と飲物をゆっくり楽しめました。部屋の露天風呂からの景色がすばらしく最高でした。

貧乏人が行ったことの無いところに行ったものですから緊張して少し戸惑い気味になり、妻の失笑を買ってしまいました。厳選した旬の素材を使った懐石料理でしたが、喉を通らず、暫し箸が進みませんでした。貧乏人の悲哀というところでしょうか?
見事なお料理の数々でした。 吟遊さんの魅力は、この部屋風呂、この部屋食なんだと思いました。 食べきれない程の料理の数でした。



一枚板の松のバーカウンターがとてもかっこよく、食後にバーでグラスを傾けたいと思い、お酒をいただき、高揚感を味わい、ゆったりした時間を過ごすことができました。
一泊の滞在でしたが、貴重な経験をいたしました。
新百合ヶ丘から箱根までは、ロマンスカーで一時間ちょっとです。昨今では日本中からは勿論、海外からのお客様も一杯こられます。当日も何組かの外国の方たちも、ラウンジ・バーで箱根を満喫されていました。
皆様も世界の観光地、箱根を楽しんでみてはいかがでしょうか!

 

 

追記

建築設計者 株式会社石井建築事務所
熱海市を本拠地に和のデザインを今に息づかせる活躍をしている建築設計事務所です。
日本中にホテル・旅館を数多く手掛けてきた建築設計事務所です。
卓越した設計力に感服いたしました。工事施工者は調べましたが、特定できませんでした。
推察するに相当の難工事だったのではないかと思いました。
かなりの技術力のある建築会社が、施工されたのではないでしょうか!