かくして我、一人旅の道に出づ。行き先は南方の国、泰(タイ)なり。世の喧騒を離れ、ただ己の足の赴くままに異国の地を踏まんと欲したるなり。

泰の地に降り立てば、空気は湿り気を帯び、肌にまとわりつくが如し。

街路には屋台ひしめき合い、香辛の香り立ちこめ、我が心を異郷へと誘う。見知らぬ料理に戸惑いしも、一口すればその味わい深く、辛さの奥にほのかな甘みを感じたり。

寺院に足を運べば、黄金に輝く仏塔は静かに佇み、俗世の騒ぎとは隔てられたる心地す。人々は皆穏やかにして、微笑みをもって旅人を迎え、我が心もまた安らぎを得たり。

やがて帰路につく時来たりぬ。名残惜しさ胸に満ちるも、旅に終わりあるは常のことなり。されどこの泰にて得し記憶と感慨は、長く我が胸中に留まりて、折に触れては静かに蘇るであろう。

さて—

次なる旅は、いずこの国にてあらんか。